いぼ・水いぼ

いぼとは

「いぼ」は皮膚から飛び出してできる小さなできもののことで、医学的には「疣贅(ゆうぜい)」といいます。いぼは加齢などでできる物と、ウイルスに感染することでできる物など、様々な種類があって、治療法もそれぞれに合わせる必要があります。

ウイルス感染が原因のいぼ

いぼには加齢や体質からできる物と、ウイルス感染による物がありますが、そのうちの多くはウイルス性の物です。ウイルスでできる一般的ないぼの種類は「尋常性疣贅」「伝染性軟属腫(水いぼ)」「青年性扁平疣贅」があります。それぞれ別のウイルスが元で治療法も異なります。

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)いぼの中でも最も一般的な物で、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することによってできる物です。色は肌と同じような色から褐色を呈し、数㎜程度から1㎝ほどの大きさに硬く盛り上がっていますが、痛みや痒みといった自覚症状はありません。
いぼの内部にはウイルスが棲み着いていますので、ひっかいて破れてしまうようなことがあると、ウイルスが排出されます。人の皮膚はバリア機能があり、通常は触れる程度では伝染しませんが、皮膚には小さな傷ができやすく、そこから接触感染したり、皮膚の別の箇所に広がったり、ウイルスがついた物を触って感染したりするようなこともありますので注意が必要です。

水いぼ

水いぼ水いぼは、表面がみずみずしく光沢がある数㎜から5㎜程度の小さな水疱のようないぼができる疾患で、医学的には伝染性軟属腫といわれており、その名の通りの伝染性軟属腫ウイルスに感染してできる物です。このウイルスはしっかりとバリア機能が発達した皮膚では伝染しにくいため、皮膚が未発達な小児に多くみられることが特徴です。
いぼの部分を掻きむしってしまい、破れるとウイルスが拡散して感染を拡げる可能性があります。以前は、プールなども原因ではないかと言われていましたが、基本的には接触感染、またはプールのビート板やタオルの共有、ゲーム機のコントローラーなどからの二次感染が多いです。

青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)

青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)5㎜から1㎝程度の扁平で薄紅色をした盛り上がりが、多発します。扁平な盛り上がりの各所にはぶつぶつとした小さな突起状の物がたくさんできています。首や背中などにできることもありますが、額や頬といった顔の部分に多発します。かなり痒みをともなうことが多く、掻きむしってしまうと、いぼが広がって融合してしまうこともあります。
ヒトパピローマウイルスに感染することが原因ですが、尋常性疣贅とはウイルスの型が異なるため、症状も異なります。アトピー性皮膚炎を合併している場合もあり、放置すると治りにくくなることもあります。
免疫ができると自然に消える場合もありますが、若い女性に多く手背や顔にできやすいことから悩みの多い疾患の一つです。増悪しないうちに適切な治療が必要です。

いぼ治療

いぼは1つだけできることもありますが、多発することも多く、いざ切除するとなっても、一回で完了とはいかないことが特徴的です。さらにいぼを放置しておくと難治性の物になってしまう可能性もあります。
また、皮膚から飛び出しているのがいばですから、つい引っ搔いてしまったり、なにかに擦れて傷ついてしまったりすることで別の部位への感染や悪化する危険性もあります。
治療の必要が無いいぼもありますが、自己判断せず、一度は皮膚科の専門医に、治療が必要かどうかなど相談することをお勧めします。
当院では、いぼの除去については、健康保険が適用になる液体窒素による凍結凝固法を中心に行っております。
液体窒素は-196℃で沸騰して気化するという、超低温の物質で、いぼに使用することで、患部のウイルスまで含めて、一瞬で凍結壊死してしまいます。そのためいぼに繋がる血管も壊死させてしまい、患部が除去しやすくなります。
その上、周辺の免疫力が誘導されるという副次的効果も期待できます。

水いぼ治療


お子様に多発する物で、つい掻きむしって破れてしまうと、ウイルスが拡散し、数が増えたり、他のお子様にうつしてしまうようになります。そのような場合は、治療が必要になります。
当院では水いぼの治療は皮膚症状に合わせて、掻きむしることで水いぼは広がりますからヨクイニンや抗アレルギー薬の内服治療、必要に応じて特殊なピンセットで水いぼを取り除く治療を行います。
掻く行為が落ち着いた状況を観察しながら多数できているときは1度では取りきることができませんので、何度か通っていただく必要があります。

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