小児皮膚科

小児皮膚科について

小児皮膚科についてお子様の皮膚はまだ成長過程にあって、皮膚のバリア機能が成人と比べて弱くなっています。そのため小児期特有の皮膚疾患を起こしやすく、診療も小児特有のデリケートさに配慮して慎重に行う必要があります。
また、先天的な皮膚の異常なども、ほとんどがこの期間に発見されます。
当院では、こうした小児期特有の皮膚のトラブルに関しても経験豊富な医師が慎重に、丁寧に診療にあたっています。何かお困りのことがありましたら、ご遠慮無くご相談ください。

お子様の皮膚の特徴

赤ちゃんのようなすべすべお肌という言い回しがあります。たしかに赤ちゃんのお肌は、みずみずしさの象徴のように見えます。しかし、乳幼児期から思春期までの成長過程では、子どもの表皮の一番外側にある角質層は、成人と比べて半分から3分の1程度の厚みしかなく、外部からの異物の侵入や、内部から水分や分泌物が失われてしまうのを守るバリア機能がまだ完全ではありません。
そのため、お肌の表面を護るために働く皮脂が、小児期にはどんどん体外へと失われてしまいます。思春期になって十分に皮脂が分泌されるようになるまでは、特有のお肌のトラブルに見舞われやすくなっています。

よくある疾患

乳児湿疹

乳児湿疹 乳児湿疹は、一つの病名ではなく、赤ちゃんによくおこる皮膚のトラブルを総称です。
よく赤ちゃんにおこる皮膚のトラブルとしては、新生児挫創、乳児脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)、皮脂欠乏症・皮脂欠乏性湿疹、接触皮膚炎などがあります。
以下に主な乳児湿疹について説明していきます。

新生児挫創(しんせいじざそう)

新生児挫創生まれたばかりの赤ちゃんにみられるニキビのようなものを新生児挫創といいます。赤ちゃんの5人に1人程度がかかるポピュラーな症状で、生まれて2週間ぐらいから発症して、数か月以内に自然に消えていくことがほとんどで、積極的に治療が必要な疾患というわけではありません。
生まれてすぐの赤ちゃんは母親から受け継いだホルモンの影響で、皮脂がたくさん分泌される傾向があり、それに対して毛穴や汗腺などが未発達で皮脂が詰まりやすいことからおこるとされています。また、詰まった部分に皮膚の常在菌が感染することも原因の一つとして考えられています。
お肌のケアとしては、毎日しっかりと入浴をして、赤ちゃん用の入浴剤や石けんなどでお肌を清潔に保つことが大切です。

乳児脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)

乳児脂漏性湿疹前頭部から頭頂にかけて黄色っぽいかさぶた状の湿疹ができるのが乳児脂漏性湿疹で、乳児脂漏性皮膚炎とも言います。炎症の原因としては、皮膚の常在菌であるマラセチアなどに感染することも一因と言われています。
その他の湿疹などと違い、痒みや痛みなどはありません。一般的には、成長とともに数か月から1~2年の間に自然に治っていき、跡も残りません。そのため適切なスキンケアを続けるだけで、特に治療の必要がないケースが多いのですが、症状が激しく全身に広がっていくなどの状態になるようでしたら、いつでもご相談ください。
スキンケアとしては、赤ちゃん肌専用のシャンプーや石けんなどを使用し、お肌を清潔に保つことが有効です。

皮脂欠乏症・皮脂欠乏性湿疹

皮脂欠乏症・皮脂欠乏性湿疹赤ちゃんの乾燥肌のことで、乾燥肌のことを医学的には皮脂欠乏症と言います。乾燥肌の状態が悪化して、湿疹をともなうようになると、皮脂欠乏性湿疹となります。
赤ちゃんが母親から受け継いだホルモンの影響がおよそ生後6か月ぐらいして消えてくると、逆にどんどん皮脂の分泌が少なくなる傾向にあります。この状態は思春期になって皮脂が再び豊富に分泌されるようになるまで続きます
ごく一般的な症状で、しっかりと肌の保湿を行い、エアコンなどを多用する乾燥しがちな住環境の場合は、加湿器などで部屋の湿度を保つようにすることで、コントロールしていきます。
保湿には、市販の保湿剤なども有効です。
ただし、痒みの強い湿疹が数か月続くようなときは、アトピー性皮膚炎も考えられますので、状態をみながら一度皮膚科を受診してください。

接触皮膚炎

接触皮膚炎身の回りにある物質に触れることで起こる、いわゆる「かぶれ」のことです。アレルギー反応がもとになって起こるものと、通常は反応しないのに、過剰に刺激を受けることによって起こる非アレルギー性(刺激性)のものがあります。
原因物質は様々ですが、赤ちゃんの場合、特におむつかぶれなどが多く、またよだれが原因となることもあります。
症状が軽い場合は、自然に治っていくこともありますが、かきむしってしまったりすると、患部が色素沈着などをおこして、長引いてしまうこともあります。
特にアレルギー性の場合は、症状も強く長引くことが多いため、一度皮膚科の専門医にご相談ください。

あせも(汗疹)

あせも(汗疹)子どもは新陳代謝が激しく、体温も高めで汗をかきやすい傾向があります。汗腺の数は生まれたときから成人と同じなのですが、汗腺の機能が未発達で、うまく汗をかけないということもあります。そのため汗腺が詰まって、汗が体外に排出されずに炎症を起こしてしまうのがあせも(汗疹)です。
あせもを発症すると、皮膚は赤く腫れたり、水疱のように小さなぶつぶつができたりして、しみるような痛みや痒みを感じます。そのような場合は、外用薬で対処することになります。
最も有効なあせも対策は、汗をかかないことです。しかし、それは日本の気候からいえば無理なことですので、汗をかきっぱなしにせず、タオルなどで押さえるように拭き取ること、シャワーや入浴をこまめに行い、肌を清潔に保ち、適切にエアコンなども使用してうまく汗をコントロールすることが大切です。

虫刺され

虫刺され子どもは、外で活動することが多く、外にいる様々な虫に刺される機会が多いと言えます。刺したり咬んだりする身近な虫としては、蚊、ハチ、アブ、ブヨ、ダニ、シラミ、ノミ、毛虫などがいます。
刺されたり咬まれたりすると、その部分が抗体反応をおこし赤く腫れて、痛んだり痒みを感じたりします。
外遊びやスポーツなどの野外活動の際は、虫除け剤を使い、長袖や長ズボンなどの露出の少ない服を着用するなど、できるだけ虫に刺されないような工夫が大切です。
それでも刺されてしまったときは、まず患部を水で洗って、掻きむしらないように抗ヒスタミン剤などの痒み止めを使用して様子を見ます。しかし腫れが強かったり、痛みが激しかったりといった場合は、皮膚科を受診してください。
また、ハチなどに刺された場合は、時にアナフィラキシーショックをおこしてしまうこともあります。全身に発赤が広がったり、呼吸が苦しそうな症状がでていたりする場合は、生命にかかわる可能性もありますので、救急対応も含めてただちに治療を受ける必要があります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎アトピー性皮膚炎は、強い痒みをともなう皮疹(湿疹)が現れる時期と、よくなる時期を繰り返す慢性の皮膚疾患です。患者様自身、または家族にアトピー性皮膚炎を含むアレルギー体質があり、IgE抗体というアレルギー物質に対する抗体ができやすい体質であるという特徴をもっています。
乳幼児期から発症し、思春期を過ぎ成人になるころには症状が現れなくなるケースが多いのですが、中には成人しても症状が現れる人や、成人してからいきなりアトピー性皮膚炎を発症する人もいます。また、皮膚炎だけではなく、喘息や食物アレルギーなどを併発している例も多く報告されています。
アトピー性皮膚炎の人は、基本的に乾燥肌、敏感肌などが特徴的な、皮膚のバリア機能が低下している状態で、アレルギー反応だけではなく、皮膚の汚れや汗などの分泌物、ホコリやダニ、化粧品や石けん、シャンプーなどの化学薬品、衣服の素材や物理的刺激などに体調の変化など、様々な条件があわさって、症状が現れ悪化していきます。
また、気管支喘息など、その他のアレルギー性疾患との合併も多く、特に気管支喘息を持つお子様の半数以上にアトピー性皮膚炎が認められるという統計もあります。そのため、アトピー性皮膚炎に対する適切な処置と予防を行うことは、その他のアレルギー症状の悪化を防ぐ手段としても有効性があると考えられています。
治療としては、外用薬を中心に炎症や痒みを抑え、掻きむしって悪化させることがないようにすること、保湿を中心としたスキンケアをしっかりと行うことなどで、だんだん症状が現れない時期を長く保つようにしていきます。

とびひ

とびひあせも、虫刺されやちょっとした傷などの部位をひっかいて、周囲の皮膚に菌が感染することによって、赤くジクジクした湿疹のようなものや、水ぶくれのような炎症ができるのがとびひです。とびひは俗称で、大きな火事のようにあっという間にあちこちに広がることから、飛び火=とびひというようになったと言われています。医学的には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)、または水ぶくれができるものは水疱性膿痂疹といい、原因となる細菌は、黄色ブドウ球菌や溶連菌などが主なものです。どちらも子どもに多い皮膚疾患ですが、稀に大人にもおこることはあります。
症状に応じて抗菌薬を塗布または内服し、痒みがひどい場合は抗ヒスタミン薬なども処方します。患部のケアとしては、優しく洗ってあげて、清潔に保つことが大切です。

水いぼ

水いぼ水いぼは医学的には伝染性軟属腫といい、表面がつるつるして水疱のように見えるいぼの一種です。伝染性軟属腫ウイルスに感染することが原因で、大きさは1~5㎜程度とあまり大きくなりませんが、盛り上がりの頂点が少しへこんでいるのが特徴です。
皮膚の小さな傷や炎症をおこしている部分などから感染するものです。プールなどで水を通して感染することはありませんが、直接患部と接触したり、ビート板などの器具を通しての感染はあります。またパソコンやゲーム機のコントローラーなどや、タオルの共用などでもうつることがあるため注意が必要です。
水いぼは、特に皮膚のバリア機能が未発達な子ども時代に発症することが多い疾患で、成長に伴って発症しにくくなります。そのため、お子様の状態によって、治療が必要か経過観察するかなど、治療方針を決定していきます。
原因となる伝染性軟属腫ウイルスは、一度感染すると、体内で死滅させることはできません。治療としては、特殊なピンセットで1つずつ取り去るのが一番確実な方法です。ただし、この治療はかなりの痛みをともない、また一度に限られた数しか除去できませんので、水いぼの数が多いときには、何度かにわけて治療する必要があります。
そのため、痛みについてはよく説明を受けた上で、麻酔テープなどを施して治療を行うこともあります。その場合は、麻酔が効くまで1時間程度かかりますので、はやめにご来院いただくか、治療前の診療の際に麻酔テープを処方しますので、あらかじめ1時間程度前から指定の場所に貼ってからご来院いただくなどの方法があります。

水ぼうそう(水痘)

水ぼうそう(水痘)まず、軽い風邪のような症状がおこり、頭痛や発熱が3~4日続きます。風邪のような症状が現れてから1日から1日半程度で胴体を中心に、顔や頭、首などに赤い平たい発疹が出て、それがだんだんと全身に広がって水ぶくれのようになるのが水ぼうそう(水痘)です。
原因は、水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症で、このウイルスに感染して初めて起こる症状が水ぼうそうです。
水ぶくれになってから数日すると、かさぶたになって治っていきますが、この間、発熱とともに強い痒みが生じます。掻きむしってしまうと化膿して跡になることもありますので注意が必要です。全体的にかさぶたになり症状が落ち着くまでおよそ3週間程度かかります。
水痘・帯状疱疹ウイルスは大変感染力が強く、厚生労働省による指定伝染病として、学校保健法では、完全に水疱がかさぶたになるまでは出席停止と決められています。
ただし、子どものうちの発症であれば、一般的にはそれほど重症化することはありません。ただし稀にアトピー体質のお子様などで重症化することもありますので、早めに医師の診察を受けることが大切です。
なお、平成26(2014)年からは、水痘ワクチンが定期接種となり、それ以降水ぼうそうは減少する傾向にあります。

蕁麻疹(じんましん)

蕁麻疹突然皮膚に境目がはっきりとして、ぽっこりと盛り上がり、強い痒みを覚え、しばらくするとすっと消えてしまうのが蕁麻疹です。一箇所だけぽっこりと現れることもありますが、お肌の広い範囲にできることもあります。
一度消えても、また同じ場所に現れたり、別の場所に現れたりすることもあります。
そうした症状が1か月以上続く場合は、慢性じんましんといいます。
蕁麻疹というと、アレルギーと思う方も多いと思います。たしかに、アレルギーが関係した蕁麻疹もあるのですが、一般的に多いのは、アレルギー反応ではなくなんらかの刺激による突発性じんましんといわれるものです。
蕁麻疹が発症する原因は、実に様々な要素がからみあっていて、いまだにわからないことが多い疾患の一つです。
一過性の蕁麻疹の場合は、治療する間もなく治ってしまうことも多いのですが、慢性の蕁麻疹では、抗アレルギー薬を一定期間飲み続けることによって、症状が治まっていくことがあります。また、かゆみ止めなどで症状を抑え、日常生活に差し障りのないようにすることも可能です。蕁麻疹でお困りの際は、一度当院にご相談ください。

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